歯の移植TOOTH TRANSPLANT
抜けた歯を
自分の歯で補う
という選択肢
移植・再植とは?
歯を失ったときに義歯ではなく、ご自身の歯の中でかみ合わせと関係していない歯を、失った場所に移植する方法です。
どんなに優れた人工歯でも天然の歯に勝るものはないので、できるだけ歯を失わないように予防することが最善ではありますが、むし歯や歯周病などさまざまな理由で歯を失う可能性は誰にでもあるものです。
そのような時でも、天然の歯をあきらめないですむ方法が「移植」や「再植」です。
歯を移植するための
条件とは
移植治療を成功させるには、さまざまな条件をクリアする必要があります。
移植可能な歯がある
親知らずを移植するケースが一般的です。
健康で、かみ合わせに関係していない歯であれば、親知らず以外の歯も使用できます。
歯根膜が十分にある
歯の根のまわりには歯根膜という薄い膜があり、歯の根と骨を結びつける役割を担っています。移植後にも、歯と骨をしっかりとつなげる効果が期待できます。
重度の歯周病などで歯根膜が失われている歯は、移植に適していません。
歯の根が複雑ではない
歯の根の数や形はさまざまです。
1本の場合もあれば複数あることも。まっすぐな根もあれば、複雑に曲がっていることもあるのです。根の形はできるだけ単純な方が、歯根膜にダメージを与えることなく抜歯できます。
歯や根のサイズが合っている
歯の大きさと移植先のスペースが、マッチしていなければいけません。
大きすぎても小さすぎても適用は難しく、移植が行えない可能性が高くなります。
歯の移植についての
ご相談はこちら
TEL 045-594-8418
移植と他の治療の
比較
むし歯や歯周病、または事故やケガによって歯を失ったときは、できるだけ早く歯を補う治療をすることが大切です。
歯を補う治療にはブリッジ、インプラント、歯の移植(自家歯牙移植)などの種類があります。
それぞれのメリットやデメリットを知って、ご自身に適したものを選びましょう。
歯の移植 | ブリッジ | インプラント |
---|---|---|
かみ合わせに関係していない健康な歯を移植する。 | 両隣の歯を支えにして、人工歯を被せる。 | あごの骨に人工歯根を埋め込んで、人工歯を支える。 |
メリット
天然の歯を維持できる。 |
メリット
ズレたり外れたりしにくい。保険が適用できる治療の中では、見た目も比較的自然に仕上がる。 |
メリット
自立するので、まわりの歯に負担をかけない。天然の歯のような見た目が維持できる。 |
デメリット
移植に関するさまざまな条件をクリアする必要がある。 |
デメリット
両隣の歯を削る必要がある。 |
デメリット
外科手術が必要。保険が適用されないため、治療費の負担が大きい。 |
歯の移植のメリット
- 天然の歯ならではの
使い心地が維持される - 歯根膜がクッションになり、
噛み合う歯を傷つけない - まわりの歯に負担をかけにくい
- 条件によっては保険が適用される
- 移植した後に矯正治療が行える
歯根膜が大切です
歯の移植の最大のメリットは「歯根膜」の存在です。歯根膜は歯の根を覆っているわずか0.3㎜程度の薄い膜ですが、クッションのように、噛む刺激から歯や骨を守ります。さらに、感覚を感知して脳に伝えるセンサーとしての役割もあり、噛んだときの感触や刺激を脳に伝えて、噛む力を調整します。歯根膜があるからこそ、歯ごたえを楽しみながら食事ができるのです。
「歯の移植」だけが歯根膜を維持することができる治療法です。
歯の移植のデメリット
- 高度な技術が必要になる
- 移植する歯の状態に左右される
- 移植先の骨が一定量必要となる
- 歯を抜く手術と移植する手術を行う
- 年齢が上がるとともに
成功率が下がる可能性がある
移植には技術力が必要なため、どこの歯科医院でも行えるものではありません。当院では、患者さまの安全を最優先で配慮して治療を行います。豊富な知識と経験で、身体への負担が少ない方法をご提案します。
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歯の移植の流れ
診断・カウンセリング
歯科用CT撮影による精密検査を行い、歯の移植ができる状態か確認します。
治療計画を説明後、患者さまに同意をいただきましたら、後日治療をスタートします。
移植手術
親知らずや、移植可能な健康な歯を抜歯し、歯がなくなってしまった部分に移植します。
その後は抜歯した箇所を縫合し、痛み止めなどのお薬を処方いたします。
詰め物・被せ物の装着
根管治療が終わり、痛みや炎症などの症状がないことが確認できたら、詰め物・被せ物で歯の形をもとのように修復します。移植した歯の状態に合わせて、適切な方法をご案内します。
メンテナンスと術後観察
治療後は定期的に検診を行い、むし歯や歯周病のチェック、歯のクリーニングでお口の中の環境を整え、治療後のよい状態を維持していきましょう。
術後の注意点
術後約1〜3日
歯ブラシの使用はできません。うがいも数回程度に抑え、強い刺激を与えないようにしてください。
術後約2〜4週
やわらかい歯ブラシや消毒液をつかって、歯磨き・口内洗浄を行います。
術後約1ヶ月
歯科医師からの指示に従い、徐々に普通の歯ブラシを使えるようになります。
歯の移植にかかる
費用と保険
歯の移植は条件によっては、保険が適用されます。
歯の移植(自家歯牙移植)に
保険が適用されるケース
- 親知らずを移植する
- 移植する歯と抜く歯がどちらも残っていて、
抜歯をした日に移植できる
保険が適用されるには、2つの条件が揃っている必要があります。
すでに抜歯が終わっているケースでは保険が適用されません。
詳しくは当院までご相談ください。
歯の移植に関する
よくある質問
Q.保険が
適用されますか?
親知らずを移植する場合、移植する歯と抜く歯のどちらも残っている必要があります。
保険が適用される条件について、詳しくお話ししますので、お気軽にお問い合わせください。
Q.好きなところに
移植できますか?
歯のサイズと移植する場所の大きさがマッチしていれば、移植可能です。
移植できるかどうかは事前の検査で判断しますので、まずはご相談ください。
Q.抜いた歯は
そのまま使えますか?
一度抜いてしまった歯の神経は、死んでいると表現されるように機能していない状態です。さらに、まわりの歯と高さが合わない可能性もあるため、ほとんどの場合で、根だけを使用します。根の状態が安定した後で、被せ物を装着して整えます。
Q.歯の移植は痛い?
治療は麻酔を使用して行います。個人差はありますが、痛みを感じることはほとんどありません。
麻酔が切れた後に痛みが出た場合は、処方されたお薬を飲んで、安静にお過ごしください。
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